セラミックは陶器と同じ構成成分の陶材と呼ばれるものです。陶材はきれいな白さや光の透過性を持つ材料で人工的に歯を再現するのに優れた材料です。ただ、強度に不安があるため金属のベースにセラミックを焼き付けたメタルボンドという被せ物が一般的に広く使われています。このセラミックよりも優れた材料に「ジルコニア」というものがあります。

ジルコニアは人工ダイヤモンドとしても有名ですが、医療では人工関節などにも使用される安全性の高い材料です。産業界ではレーシングカーのブレーキシステムの部品やスペースシャトルの耐熱タイル、ハサミや包丁など幅広く使われています。ジルコニアは、金属を使用しないので金属イオンの流出がないため、金属アレルギーの方でも安心して使える生体親和性の優れた材料です。さらに、金属と同等以上の強度があり、従来のセラミックにあった割れやすさを克服し、奥歯やブリッジにも対応できます。ジルコニアは透明感があり、ほとんど変色しませんが、セラミックほどの色調ではないため、前歯で審美性を重視する場合はジルコニアにセラミックを焼き付けたジルコニアセラミックというものがあります。

ジルコニアの最も優れた点は、吸水性がなく、歯垢や着色が付きにくいことから正しいメインテナンスを施すことで長期間安定して清潔な状態が保てます。つまり、虫歯や歯周病の再発が起こりにくいのです。

【ジルコニアの特徴のまとめ】

・強くて丈夫な素材なので、奥歯やブリッジにも使用できます。

・金属の1/5の軽さ、付けた時の歯にかかる負担も軽減されます。

・金属を使用しないので、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。

・耐熱性、耐久性、耐腐食性が高く、変色や摩耗がありません。

・吸水性がなく、歯垢（プラーク）や着色が付きにくいことから、虫歯や歯周病の再発を起こしにくいです。